京の食文化・京の食べもの

京の農業・知産知消

京都市の農業について

農業は地域の自然と人間がかかわりながら長い年月をかけて形成されてきました。現代のような大量生産・大量消費の経済は,「生産」と「消費」の現場を引き離し,農業の背後にある「いのち」や「人間のくらし」を見えにくくしています。

農業に対する理解を深め,農業と「人間のくらし」との関わりを見つめ直しましょう。

>>農林振興室ホームページへ

(1)京の野菜

平安京の時代から長年栄えてきた京都は,海から遠く離れた立地のため海産物の運搬が難しく,大都市の食生活を保つためには野菜作りが重要でした。

特に京都には,全国各地や中国大陸から,朝廷への献上品として,優れた野菜の種や生産技術が集まり,また,多くの寺社によって精進料理が発達したことも影響し,味わい深い野菜が伝統的に栽培されてきました。

そのうえ京都には,野菜を育成するための以下のような好条件がそろっていました。

  • 豊富な地下水
  • 三方の山から流れ出る花崗岩の風化した砂質土や粘質土などの肥沃な土壌
  • 強い季節風の吹かない穏やかな気象条件
  • 盆地特有の夏の暑さと底冷えする冬の寒さ

<京の旬野菜>

平成10年に京都市が「京の旬野菜推奨事業」を開始し,その中で市内産野菜について品目ごとに「旬」を定め,その時期に出荷される野菜を「京の旬野菜」としています。京の旬野菜は,京都市が認定した優秀な農家が栽培指針に基づき生産しており,味,栄養価がともに良いだけでなく,安心・安全な野菜です。季節に合った野菜づくりはハウス栽培などに比べると,暖房費も使わず,病気や害虫にも強く低農薬でも元気に育ちます。また,市内輸送なので栄養価の損失やトラックの排気ガスが少なく,環境にやさしい,健康に良い野菜です。
>>「京の旬野菜推奨事業」(農林振興室ホームページ)

<京の伝統野菜>

昭和62年に京都府が認定を開始し,現在まで40品目の野菜が認定されています。明治以前に導入されたもので,京都府内で生産されていることなどが条件です。
>>「京の伝統野菜について」(農林振興室ホームページ)

<ブランド京野菜>

京のふるさと産品協会が認証した19品目の野菜のことです。

(2)地産地消

地産地消とは,地域で生産されたものを地域で消費するだけでなく,生産された農産物を地域活動を通じて,生産者と消費者を結びつける取組です。近年,消費者の農産物に対する安全・安心志向の高まりや販売の多様化が進む中で,消費者と生産者を結び付ける「地産地消」への期待が高まっています。

京都市内では,古くから多種多様な野菜がその土地と気候で育まれ受け継がれてきており,栄養的にも優れたこれらの野菜は「京野菜」として京の食文化を支える重要な食材となっています。

京都の風土に培われた野菜は,旬の時期に生産されてきました。しかし,近年は遠隔地や海外から大量の野菜が入り,消費者が野菜の旬を意識する機会が薄れてきています。本来は旬の季節にその土地のものを食べるのがいちばん理にかなっていて健康に良いと言われています。

京の旬野菜をはじめとした,市内産の新鮮でおいしい野菜は,八百屋やスーパー等の販売店以外に,生産農家の直売所や振売り又は,朝市でも購入することができます。

また,京都市では野菜が旬の時期を迎えるまで待って食する京都の伝統的で「エコ」な食生活を「京の時待ち食」と名づけ,新たに市営地下鉄駅構内等に旬野菜の直売所を設置し,PR活動を展開しています。

京都市内小学校での地産地消―知産知消-の推進

地域で作られた食物を地域で消費するという「地産地消」に加え,その食物の産地を知り,生産者や自然の恵みなどすべてに感謝する心,長い歴史が育んだ幅広い食文化,食の安全・安心など,子どもたちに食の大切さを伝える取組(知産知消)です。

賀茂なす,聖護院だいこん,金時にんじん,万願寺とうがらしや伏見とうがらしといった京都府内産の京野菜を使った献立を取り入れるとともに,生産者の声を取り入れた資料を活用し,京野菜の歴史や京野菜を使った伝統料理について学習する等,給食を通じた食育の推進に取り組んでいます。

>>食育について(知産知消)(京都市情報館)

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