食と健康情報

フッ化物について

安全性

フッ化物は自然界に広く分布する天然の環境物質です。

たとえば海水には約1.3ppm,土壌には約280ppmのフッ化物が含まれていますし,比較多く入っている食品には,緑茶や紅茶(約0.5~1.0ppm),海草(約2.3~14.3ppm),小骨ごと食べる魚(約8~19.2ppm)などがあります。

むし歯予防のための製品にはそれぞれ使用する人の年齢や使い方に考慮して,スプレー式のもので100ppm,小学校等で用いられている洗口液が450ppmまたは900ppm,歯みがき剤で500~1,000ppm,歯科医院で用いられる歯面塗布用の薬剤で9,000ppmと調整されています。

慢性的に過剰摂取すると歯に白濁模様や茶褐色の色素沈着(斑状歯)を見ることがありますが,きちんと調整されたものを正しく使えば,そのような副作用は起きません。

また,一度に大量のフッ化物を摂取すると急性の中毒症状がでることがありますが,濃度の高い,歯科医院での歯面塗布用のものでも,使用される子どもが一回分を全部飲んでも安全な量に調整されています。フッ化物を用いたむし歯の予防策は,世界中の多くの国でなされています。WHO,厚生労働省,日本歯科医師会など多くの団体もその利用を推奨しています。フッ化物を正しく使って,むし歯予防をしましょう。

応用法

歯の生えはじめのころから,年齢に応じたさまざまな方法で途切れなくフッ化物をつかうことで,徐々にフッ素が歯に取り込まれ,むし歯になりにくい強い歯を作っていくことができます。特に歯の生えはじめの時期は,フッ素が歯に取り込まれやすいので効果的です。

年齢別

2歳頃まで

うがいを上手にできるようになるまでは,家庭内で泡状の歯みがき剤やジェルやスプレー式のフッ化物を使うのが安全です。

2歳頃から

歯科医院を受診できる年齢になれば,より濃度の高いフッ化物を使う「フッ化物歯面塗布」が利用できるようになります。
年に2回~4回,計画的に歯科医院を受診して塗布してもらうようにしましょう。

【京都フッ化物歯面塗布事業】

京都市では2~3歳の幼児が歯科医院でフッ化物の塗布を受けることに対して補助を行っています。母子健康手帳に添付されている「フッ化物歯面塗布受診票」を指定医療機関に提出すると,「フッ化物歯面塗布」を受けることができます。

この事業は一人の子どもに対して1回の補助ですが,この1回の受診をきっかけにして一人でも多くの子どもが,歯科医院で継続的に「フッ化物歯面塗布」を受け,むし歯ゼロのまま成長されることを期待しています。お子さんが小学校へ行かれるまでの数年間は,保護者の方が「かかりつけ歯科医」と協力して,この手帳を使いながらフッ化物を用いたむし歯予防を行ってください。

4歳頃から

うがいがきちんとできる頃からは,「フッ化物洗口」や「フッ化物配合歯みがき剤」を利用しましょう。

小学生

京都市立の小学校では「フッ化物洗口」が行われ,フッ化物の集団での利用が行われています。

フッ化物応用の方法

歯科医院でのフッ化物

フッ化物
歯面塗布
比較的高濃度のフッ化物溶液やゲルを歯科医師・歯科衛生士が歯面に塗布する方法です。
※塗布方法として,歯ブラシ法や綿球法のほかに,口に合わせた トレーを使う方法やイオン導入法などがあります。

家庭で使えるフッ化物

泡状
歯みがき剤
寝かせみがきの仕上げに使います。
使用後だ液を吐き出さなくてもいい歯みがき剤で,0歳から使用できます。 歯科医院で購入できます。
フッ化物
ジェル
寝かせみがきの後の仕上げに使います。
乳児用,幼児から大人用があります。歯科医院やインターネット販売で購入できます。
フッ化物
スプレー
寝かせみがきの後の仕上げに使います。
0歳から大人まで使用できます。
歯科医院や薬局,インターネット販売で購入できます。
フッ化物配合
歯磨剤
歯みがきのときに使います。
6歳未満の幼児の場合,安全で効果的に使用するために,

  • 子ども用歯ブラシの半分の量(グリンピース大)が適量です。
  • 保護者が歯ブラシにつけ,歯みがきを見守りましょう。
  • 歯みがき剤の吐き出しや,ぶくぶくうがいの練習をする。ただし,すすぎ過ぎないよう2~3回にとどめる。

歯科医院のみで販売のものや市販されているものがあります。

フッ化物
洗口剤
歯科医院で指導を受け,毎日1回寝る前に歯みがきの後行います。
専用の容器に溶かしたフッ素溶液を5~7ml口に含みぶくぶくうがいを30秒行います。飲み込んでしまう恐れのある幼児には使えません。

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