京・けんこう情報局

Vol.18 体験!一日食品衛生監視員~㈱土井志ば漬本舗さんの見学&検査体験~ (平成24年8月21日開催)  左京保健センター衛生課 山崎奈穂子

秋も深まり、空気がひんやりしてきましたが、まだまだ注意が必要なのが「食中毒」!
ご家庭ではどんなことに気をつかっていますか?

本市では、昨年度から、『体験!一日食品衛生監視員』というタイトルで、食品工場などを
見学していただき、食の安全について見つめ直してもらおうという事業を行っています。
今回も、京(みやこ)・食の安全衛生管理認証を取得している㈱土井志ば漬本舗さんにご協力いただき、漬物製造工場の衛生管理の裏側を見学させていただきましたので、その報告をしたいと思います。

暑い中でしたが、参加者のみなさまが楽しんで学習していただけたようですので、職員一同、大変感謝しております。
当日のスケジュールは、

京都市役所前広場 集合 → (バス移動) → ㈱土井志ば漬本舗さん 見学 → 
(バス移動) → 京都市衛生環境研究所 検査体験 → 意見交換会 → (バス移動) → 京都市役所前広場 解散

という流れでした。

 

 

〇㈱土井志ば漬本舗さん

 

 
まず、志ば漬に欠かせない、ちりめん赤紫蘇(しそ)の栽培農場を見学しました。
㈱土井志ば漬本舗さんでは、使用するちりめん赤紫蘇をすべて自社農場で育てていらっしゃいます。

 


次に、志ば漬の熟成館へ。
今回は茄子の志ば漬を作っていらっしゃる現場を見せていただきました。
樽の中にビニール袋を入れ、その中で、カットした茄子と紫蘇に塩をふりかけながら、
足でふみしめている様子です。

 


樽いっぱいになったら、上から茄子と同じ重量の重石をのせます。
ビニールにあけた穴から勢いよく出ているのは、茄子から出た水分!
樽いっぱいの材料は、30日以上かかって最終的には3分の1ほどの量になるそうです。

 


次に、熟成させた漬物をパックする工場に移動し、見学通路から中を見せていただきました。
手袋や帽子、マスクなどをきちんとつけた従業員の方が、大型の機械の間で丁寧にお仕事をされています。
工場には、必ずエアシャワー室(風で衣服についたゴミを取り除く部屋)を通り、手洗いなど一連の作業を行ったあとでないと入れません。
そういったさまざまな衛生管理法についても、「もっと工夫できるところはないか、改善すべきところはないか」と、定期的に会議を開いていらっしゃるそうです。

見学のあとは、冷たい紫蘇ジュースをいただきながら、工場入室時の服装や異物混入などについて、映像を交えて丁寧な説明を受けました。

 

 

〇京都市衛生環境研究所


京都市衛生環境研究所では、毎日さまざまな検査が行われています。食品に付着している細菌や、食品添加物、残留農薬、放射性物質などなど…。
食品だけでなく、飲用水や空気環境、感染症などの検査部門もあります。
今回は、着色料に関する簡単な実験を通して、検査業務を体験していただきました。

また、実験の合間には、㈱土井志ば漬本舗さんで教えていただいたことや、食品衛生監視員に関するクイズも行われました。
少し難しい内容もありましたが、みなさんとても真剣に聞いていてくださったので、正解者続出でした!

 

 

学校の授業などではなく、実際に食品施設を見学していただいたことで、安全な食品を提供するためにどれほど食品事業者の方々が努力されているかを、肌で感じていただけたのではないでしょうか。
食品を扱ううえで、食中毒の危険性をゼロにすることはとても難しいものです。ですが、その危険性を少しでも減らせるよう、ご家庭でも「この食品の扱い方は大丈夫かな?きちんと手洗いできているかな?」と、お子さんといっしょにふりかえっていただけたら、と思います。