京・けんこう情報局

vol.25 京の冬至クッキング・ひなまつりクッキング実施しました!             南保健センター 管理栄養士 伊藤智代

 いろいろと発掘すると面白い京の食文化。「何の日に何を食べる」といった毎月のおきまり料理や、長い歴史の中で変化しつつも祭りごとや寺社の影響を受けた行事食は楽しい京の食のひとつ。

 そこで南区の食育指導員さんにアイデアをいただき、冬至やひなまつりなど世代を通じて伝えたい郷(きょう)食をテーマに、南区の地元野菜をふんだんに使用したクッキングを開催しました。

 京の冬至 ~‘ん’がつく7色食材クッキング~                 [25年12月実施]

冬至  一年で最も日が短く、一番長い夜を過ごす日

 冬至に「ん」のつく食べ物を食べると「運(うん)」が呼び込めると縁起をかついで、かぼちゃ(なんきん)を食べます。また、かぼちゃの旬は夏ですが、長期保存が効くことから、冬に栄養を摂るための賢人の知恵だったとも言われます。
 京都では冬至の日に他にもその名に“ん”が二つつく食材を7つ食べるとされています。地域千差万別、云われも諸説ありますが、南瓜(なんきん)銀杏(ぎんなん)金柑(きんかん)人参(にんじん)蓮根(れんこん)寒天(かんてん)饂飩(うどん)の7つの食材の他、南区など一部の地域では寒天、饂飩に代わり隠元(いんげん)甘藍(かんらん)を食べるそうです。甘藍とはキャベツのこと。南区は市内でも有数のキャベツの生産地です。南区の食育指導員さんとともに地域の季節の産物を行事に合わせていただくレシピを提案いたしました。

 

 教室では参加者は3グループに分かれ、食育指導員さんのサポートのもと、それぞれ3品ずつ協力し合って調理しました。試食は全部で9品!!「旬の食材を新鮮にいただくと薄味でもとてもおいしい!」「タイトルにあった‘7つの食材’が楽しみでした。」「きんかんを初めて料理に使いました。家でも作ってみます。」と、参加された方は楽しまれた様子でした。

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京の冬至クッキングレシピはこちら↓

京の冬至クッキング レシピ 

ひまなつりクッキング [26年1月、2月実施]

ひなまつり  娘の健やかな成長を願う日

 ひなまつりと言えば、華やかなちらし寿司や、貝がしっかりと合わさっていることより相性・良縁に恵まれることを願って貝を使う料理があります。京都では乾物や京野菜を彩りよく盛り付けた「ばら寿司」「身しじみのしぐれ煮」が有名です。近年、子どもが喜ばない、手間がかかるといって作られなくなりがちな行事食。野菜などの苦味や辛味は苦手なお子さんが多いのですが、繰り返し食べるうちにおいしいと感じる幅も広がります。簡単にアレンジしながら、京野菜をはじめ地域の特産物を使った行事食を楽しみ、食体験を広げてみてはいかがでしょう。

 

 今回は保育のボランティアさんのご協力もあって、子育て真っ最中のお母さんや、母娘でのご参加がありました。世代を越えて同じメニューを楽しめるようアレンジも加えました。壬生菜の栽培もされている食育指導員さんのおすすめ料理「壬生菜と切干大根のあえもの」では、辛味が特徴の壬生菜も切干大根の甘さと合わさって食べやすく、小さなお子さんもモリモリ食べてくれました。(レシピ参照)
 参加者からは「教室におだしのいい香りが立っていて…改めておだしを見直しました。」「はじめて壬生菜や京セリを使いました。新しい発見があった!」「子どもを預けてゆっくりと調理出来てよかった」などのお声をいただきました。

 次世代へ京の食文化、和食の良さ、健康への配慮など食べる人を想う食卓が引き継がれていくことを願っています。

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ひなまつりクッキングレシピはこちら↓

ひなまつりクッキング レシピ