コラム - 京の食育指導員

2021年3月31日
vol.74 食育指導員のおうち食育~我が家の味噌作り~【北区】

我が家の2月は味噌作りの月。ここ数年は,大豆を使った味噌作りに加えて,黒豆を使った味噌作りもしています。

夫の従兄は,京丹波町で黒豆を作っています。ある年の年末に,正月用黒豆を選り分けた後の割れた豆や規格より小さい豆がたくさん残っているのを見ました。思い付きで,「この豆でお味噌作れへんのかな。」と聞くと,地元では作っている人もおられるとのこと。じゃ,作ってみたいと思い,残されている黒豆を分けてもらいました。「軟らかく炊いた後,皮を剝かんとあかんよ。」と教えてもらい挑戦することに。正解の分量はわかりませんが,大豆で作る味噌と同じ分量(京都生協のレシピ参照)で作ってみました。

さて,出来栄えは…。大変美味しい! 大豆で作る味噌より少し甘味があり,こくもあるように感じます。実際に美味しいのですが,さらにそう言いたくなるのに理由があります。それは,軟らかく煮た後の皮むき。これにかなりの時間がかかります。今年は1.2kgの皮を剝くのに5時間かかりました。これには,閉口しました。

前に皮むきが面倒になり,途中でやめてしまったことがあります。美味しさは変わりませんでしたが,味噌汁に若布の切れ端のようなものが浮いてしまう。気になるような,ならないような。濾せばいいけど,全部食べたいとも思う。「皮を剝かんとあかんよ。」の意味が分かりました。やはり皮むきしかないなと,あきらめて皮を剝いて作っています。ふやけて白くなってしまった指先を微妙な気分で見ながら黙々と皮むきをします。大豆で作る味噌よりもかなり手間がかかります。だからさらに美味しい。それこそ手前味噌だけど…。

大豆で作る味噌作りから始めた我が家の味噌作りは,黒豆で作る味噌作りを加えて,甕4個分を仕込むようになりました。正月用の白味噌以外,購入することがなくなり,自家製味噌での味噌汁や料理を楽しんでいます。

 

<準 備> 6ℓ以上の容器をよく洗って熱湯消毒し,乾いた布でよく拭きとる

<材 料>  黒豆1.2kg,米麹1.2kg,塩500g

<作り方>

黒豆はきれいに洗い,たっぷりの水に一晩つけ,軟らかくなるまで煮る。 *指で押してつぶれるくらいまで

 

軟らかくなった黒豆の皮を剝き,フードプロセッサーですりつぶす。  (すりこぎやマッシャーを使って潰してもよい)

 

塩400gと米こうじ1.2kgを手ですり合わせるようにして混ぜる。

*塩きり

 

②の黒豆に人肌に冷ました煮汁を加え,耳たぶくらいのかたさに調整し,③とよく混ぜ合わせる。

 

④を両手で握れるくらいの大きさに丸め,空気が入らないように容器にたたきつけるようにして詰めていく。全体を押して表面を平らにする

 

塩100gをふり,表面をラップできっちり蓋をする。3kgの重石をのせ,新聞紙などで覆ってひもで縛り,冷暗所で保存する。

 

味噌作りのレシピでは,5~6月ごろに味噌を容器の底から混ぜ返す「天地返し」をするように書いてありますが,ある味噌屋さんが自宅で作っている位の量なら必要ないと言っていたのを聞いて,時々様子を観ながらそのままで保存し,年末に味見をするのを楽しみにしています。

 

 

 

 

 

 

京の食育指導員

このコラムについて
地域で食育をすすめる市民ボランティア(京都市認定)の食育指導員さんの活躍
を紹介します。
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